特捜のエース検事から悪徳弁護士、そして詐欺事件で逮捕――元東京地検特捜部検事、田中森一氏である。その田中氏が垣間見た永田町の政治家たち、元特捜検事が占う「守屋スキャンダル」の行方とは。
田中氏の著書「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」(幻冬舎刊)は5か月で27万部を記録、ノンフィクションとしては異例の売れ行きだ。バブル紳士や闇社会の大物が実名で出てくる一方で、素顔の政治家たちも登場する。元特捜検事の腕を買われて旧安倍派(清和会、現在の町村派の前身)の「派閥顧問弁護士」だったからだ。
「本では、清和会(当時の旧安倍派)の顧問弁護士と書きましたが、正式に顧問契約していたわけではありません。領袖の安倍晋太郎さん(元外相)と知り合いで、安倍さんのほか、同派所属議員の相談を受けていた、ということです。安倍さんのほか、加藤六月さん(元農相)、三塚博さん(元蔵相)ら主に派閥上層部の相談にのってました。案件はリクルート事件など。ほかに選挙違反の案件も頼まれました。
安倍さんとは中岡信栄さんを通じて知り合いました。中岡さんは関西で焼き鳥の五えんやグループを率いた立志伝中の人です。小さなやきとり屋から身を起こし、一代でゴルフ場やホテル、ノンバンクまで経営を広げました。安倍さんはその中岡さんをとにかく信頼していました。ある霊能者から『関西で一番、あなたのことを親身になって考えている人がいる』と言われたそうですがそれが中岡さんだった、というのです」
――中岡さんはバブル時代の典型的な「谷町」。どうして政治家は惹かれるのか。
「叩き上げの人には人間的な魅力がある。カネも持っている。あのころの派閥の領袖は派閥を維持するために、たくさんのカネが必要でした。中岡さんの会社は5年で350億円の使途不明金があったが、それはみな、そうやって人にばらまいたカネでした。事務所の引き出しを開けると札束でいっぱい。僕が弁護士として相談を受けに行くとポンと100万円。議員秘書が会いに行っても100万円、といった具合です。超一流ホテルのワンフロアを借り切り、議員に牛乳風呂をサービスしたりしてました。
本当かどうかわかりませんが、消費税導入は中岡さんが借りていたスイートルームで話が決まった、と自慢していました。竹下登さん(元首相)や安倍さんが部屋に来て、そこで極秘に会談したんだそうです」
――当時、晋太郎
- Dec 10 Mon 2007 10:42
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